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2011年 07月 28日 ( 1 )

東野圭吾 時生


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私の好きな東野作品の、ベスト10に入る、『時生(トキオ)』。

ブログに書くにあたって、3回目に読みましたが、

またも涙・涙・・・・・。素晴らしい小説です。

内容を簡単に説明いたしますと。




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物語は衝撃の冒頭ではじまる。

難病であることを宿命づけられた、「時生」という少年。

すでに彼の病は進行し危篤状態となり、まもなく19歳の命を
閉じようとしている。

集中治療室につきっきりの「宮本拓実(父親)」と「麗子(母親)」。
そこで拓実が麗子に突然言う。

「ずっと昔、俺はあいつに会ってるんだ」

そして、拓実は麗子に、不思議な過去を話し出す・・・・・。






時は1979年、拓実の23歳の時代にさかのぼる。

拓実は、実の母親に捨てられたという恨みを抱えて、
自堕落な生活を送っている。

どんな仕事も続かず、恋人「千鶴」の用意したガードマンの仕事も、
面接で遅刻、面接官とケンカし、反故にしてしまう。

そのころ、拓実は「トキオ」と名乗る青年と出会う。

23歳の拓実は、世をすね、虚勢を張り、
いろんなことを親や他人のせいにして責任を逃れ、
短気でうぬぼれ屋の勘違い野郎だった。
大阪弁で言うと、「あかんたれ」だ。

最初、拓実は、素性の知れないトキオを警戒する。
拓実のことをよく知っているような言い方や、
未来を予言するようなことをほのめかしたりする。
だけど、憎めない何かを持っている不思議な少年。

トキオは、未来から過去にやって来た、拓実の息子だった。

恋人、千鶴の突然の失踪、
闇の組織に関係する事件に巻き込まれていくなかで、
「トキオ」と行動を共にし、彼に感化されながら、
次第に拓実の出生の秘密が明らかになっていく・・・・・・・。




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もしかして、これを機に誰かが読んでくれるかもしれないので、
ここまで。


最初の舞台(1979年)は浅草だけど、
失踪した千鶴を追い、拓実とトキオは大阪に向かう。

そこからのスピーディーな展開が、
さすが大阪生野育ちの東野圭吾、おもしろい!

難波や道頓堀、鶴橋や今里など、よく知っている大阪の
あちこちが出てくる。臨場感満載。

そしていつもながら人間味あふれる、
東野ワールドに登場する人物たち。

千鶴の友達のスナックの母娘や、彼氏の元ボクサーの黒人、
拓実の産みの母の家人たち、やくざな連中。




私がこの小説の中でいちばん心に残っている一文は、
母とスナックを切り盛りする、ちゃきちゃきのナニワ娘、竹美のせりふ。

「すごいな。でも竹美さんって、そんな苦労をしてるようには
 見えませんよね。」 と言うトキオに対し、

「苦労が顔に出たら惨めやからね。それに悲観しててもしょうがない。
 そら誰でも恵まれた家庭に生まれたいけど、自分では親を選ばれへん。
 配られたカードで精一杯勝負するしかないやろ。」


これにはシビれたなー。


この小説の見どころは、アホだった拓実がトキオと共に
自分の出生のルーツをたどるにつれ、
自分が生まれてきた意味を知る。
人をゆるし、人生において大切なことに気づく。

随所随所に笑いあり・涙あり、感動あり。
東野圭吾のなかでも、まさにエンターテイメント的作品。


さぁアホの拓実の行動・発言にいらいらしながらも、
私たちも拓実とトキオと一緒に、時空を旅しましょう!










by meruchiko | 2011-07-28 00:00 | 読書 | Comments(3)