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「忘れられない」の裏側にあるもの





お客さんにされる恋の相談
(というか愚痴?)で多いのが、
「かつての恋人が忘れられなくて、
なかなか好きな人ができない」
というものである。

独身・既婚者にかかわらず、
終わった恋愛にとらわれ苦しんでいる人が
いる。
(私にはその思いや自分にひたって
楽しんでいるようにも見えるのですが、
やはり本人は苦しんでいる。)

これは「卵が先かニワトリが先か」
みたいな話になるけど、なんと言っても
「前の恋人を忘れるには新しい恋人を作ること」だと思う。

しかし前の恋人が忘れられなくて、
なかなか好きな人ができない場合、
そのままでは新しい恋人ができるわけもなく、
話は堂々巡りになってしまうのだ。

どちらかというと前向きで、
今が駄目でもすぐに未来に期待をする私
ですら、そういう時はあった。

なぜ別れてしまったのかは話が長くなるので
割愛するけど、簡単に言えば私は、
とある事で裏切られ、こちらから別れざるを
えなくなってしまったのである。

それから半年くらいの間、
自分がどうやって過ごしていたのか、
今でも思い出せないくらい、
当時の私としてはショックだった。

どこに行っても
「あーあ、ここ二人で来たなぁ」と思うし、
ふとしたことで
「彼とこんなことを話したなぁ」
とか思い出してしまうし、
なんだか毎日毎日を後ろ向きに過ごしていた。

毎晩友人たちと飲んで酔っぱらって
はしゃいでいたけれど、
ひとりになるとめそめそ泣いていたし、
もうこれは仕事しかない、と思って、
無理やり2号店を出そうと不動産屋と物件
めぐりに行ったり、
(→やらなくて本当に正解でした。)
友情と恋愛をはき違えて、
無理に恋をしようとしたりしていた。

桜が咲いたのも、梅雨になったのも
わからずに過ぎて、当時、私の体はその日を
生きていたのかもしれないけど、
私の心は毎日、過去しか生きていなかったのだ。

そしてあんまりつらくて真っ暗な夜、
「求めない」という本
(ベストセラーになった)を読んだ後、
考えに考えてはっきりとわかったのだ。

私はとても彼が好きで、
彼を愛していると自分で思いこんでいた
けれど、実はそれは違うのではないか、と。
私はたぶん、気が済んでいなかったのだ。

ああもしたかった、こうもしたかった、
つき合っていたときにああすればよかった、
こうすればよかった、 
なんて思うということは、
私の気が済んでいなかっただけなのだ、と。

時間は二度と戻らないのはわかっているのに、
くよくよそう思うということは、
当時の自分に思い残したことがあるのだし、
今もこんなに苦しんでいるということは、
「過去の自分が好きだっただけではないのか」
と、突然、思い至ったのである。

本当に今も彼が好きなのだったら、
彼の今の幸福を望むのが本当である。

そしてその彼の幸福の選択として
「彼は私を選ばなかった」
ということが現にここにあるのなら、
その彼の選択をすら愛することが
できるのではないか、と。

しかし私はそんなに人間ができていないので、
頭の中でそういう考えに至ったからといって
気持ちがそこについていけるわけはない。
だから私はその日以来、
まね事を始めたのである。

後悔や恨みの気持ちが生まれたときは、
「私をどうにかしてくださいという
気持ちがあるうちは、そんなものは愛ではない。それは自己愛だ。
あの人の幸福を祈れる人間でいなさい」
と毎日言い聞かせ、寝る前に本当に
祈ったりした。
(私はつくづく「恋という宗教」の一途な信者なのねぇ。)

するとまね事はだんだん心から
本当に思えるようになったんである。

そしてある日、「あーあ、あほらしい。
他人のことよりこんどは自分の幸福を祈ろう」
と気づき、ボロッとカサブタがはがれるように
彼のことは思い出さなくなった。

そうこうしているうちに何年か後、
その人に会ったのだが、
もうあんまり何とも思わなくなってる
自分にびっくりした。

「もう私はこの人のことで悩むだけ悩み、
愛するだけ愛した。もうええねん」
と思ったからである。

するとそのオッサンは、
「なんて俺は馬鹿だったんだろう。
めっちゃ後悔してる」
などとちゃらちゃら言ったのであるが、
私はもう平気だった。
その時の私にはもっと好きな人がいたからである。

「こんなに俺はまだ好きやのに冷たい女じゃ」
とも言われたが、別にかまわなかった。
私がどれだけ彼のことを好きだったかは、
私が知っているから。

その後、やはり恋で悲しいことが
あったときに、
私はこのまね事をしているのである。

とはいえ、この勢いでいくと地球上の
男性すべての幸福を祈らねばならない
感じになるかもしれないのが不安なのですが。










by meruchiko | 2012-02-09 00:00 | 恋愛 | Comments(0)