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成人の日


きょうは成人の日。
買い物にミナミに出ていた私は、振り袖姿の女子を二組見た。
もっとたくさん出くわすと思っていたけど。

夜、当店最年少のしょうこちゃんから写メが送られた。
そういえばおとつい酔っぱらって成人のお祝いをわたしたのだ、
と思い出し、そこに映る艶やかな振り袖姿はとても可愛いらしかった。




「若い」という字は「苦しい」という字に似ているらしいけど、
(そういう歌が昔あったらしいのですが、いくら私が昭和のホステス
 といってもその歌をちゃんと聴いたことはありませぬ)
思い返せば私も悩まなくていいことでよく悩んだ。

まずつきあっていた彼氏の親が私のことを許さなかった
(いま思えばそんなの気にせず放っておけばよかったのに)
ことで悩み、友達関係のことで悩み、
(親友のオカンにも、あの娘とはつき合うなと言われ、泣いた。)
お金が無いことにも悩み、水商売のことでも悩んだ。
(いまは悩むヒマがあったらさっさと化粧して出勤せえ・・・と思う。)

「やりたいことがわからない」ということで悩んだ経験はないけど、
「やりたいことはわかっているけれど、いったいどうしたらよいの?」
ということで悩んでもいた。

食べ物屋さんをやりたいんだけれど、料理は下手だし、
(だいたい得意でない上に好きでもないし)軍資金もないし、
親も彼氏も助けてくれそうにないし、
弟子入りするにもよくわからないし、
助けてー、という感じだった。

しかしそれは、悩んでいないでとにかくいまの仕事で稼いで、
ちゃんとお金を貯めて、どこかの学校なり飲食店なりで
勉強もしくは修行すればよい話だったのだといまは思う。

あと「太っている」とか「鼻が低いしブス」ということも相当悩んだ。
これもちゃんと考えてみれば、「太っている」ではなくて、
「痩せていない」ということに悩んでいたのだなあ、私は。
そして「鼻が低くてブス」ではなくて、「鼻が高くないし美人じゃない」
ということについて悩んでいたのだ。
いま思えばなんてぜいたくな悩みであることか。

いまは「太っている」と悩んでいた当時よりも
多少は痩せているかもしれないが、明らかにお肌のハリはなくなり、
みるみるあちこちがたるんできたけどそれほど悩んでないし、
「鼻が低いしブサイク」と悩んでいた当時より、
寄る年波でシワも白髪もいっぱいできているわ、
垂れ乳はますます垂れ下がってきて困っているが、
もう悩んではいない。
(それは開き直りとも言う。)

しかし私は当時、まじめに悩んでいた。
その理由がいまならわかる。
私は自信がなかったのだ。
生きていく自信が。

いまは自信があるわけではないが、
私は仕事を続けて行くつもりだという覚悟はあるし、
結果はどうであれベストは尽くしたい、と思うようになった。

そしてナイスバディじゃなかろうが、美人でなかろうが、
これは私のからだで私の顔である。
足首がキュッと締まっていないことも、
おわん形のお乳でないことも、ななこのような鼻筋でないことも
残念ではあるが、私はそれを認める勇気を持っている。

そしてこのままどんどんシワも白髪も増える一方だろうと
思うけれど、それも仕方ない、と考えている。
諦めているのではなく、認めているのである。

そう思えるようになってから、なんだかすっきりしてきた。
だいたい周りの友人もそんな感じである。
そういえば私たちはもう少しで「二度目のハタチ」なんだな(涙)。


若いころは恋がうまくいかないとき、
ものすごく不安だったり、悩んだりしたが、
それはその「恋そのもの」に悩んでいたのではないと、いまは思う。
どうしよう、どうしよう、とうろたえていたのである。

「彼を失ったらどうしよう」「寂しくなったらどうしよう」
「これから一生、私を愛してくれる人なんて現れなかったらどうしよう」
などと、私はうろたえていたのである。

そんな自分の将来のことにうろたえている人間に、
彼との現実的な恋愛関係がうまく解決できるわけがない。

「彼のこと」「彼と自分のこと」を考える前に、
「自分のこと」で手一杯で、
「私を寂しくさせないで」とか、「私を不安にさせないで」
という気持ちでふくれあがってる人に、
ちゃんとした意味で「恋のこと」を考えることなんてできないもの。

そんな感じでいると、
うまくいくはずの恋愛もうまくいかなくなってくる。
「この人、私をどうしてくれるつもりなの?」
「私が不幸になったら、あんた責任取ってくれるの?」
みたいなことばっかり考えている、
自分中心のわがまま女だなあ、と当時の恋人も
思っていただろうと、今頃反省している。


だから若いしょこたんに、私がアドバイスできることは、
「その最中にはどっぷりつかってみよう」ということだ。

いま恋の真っ只中であれば、恋にどっぷりつかってみよう。
「彼を失ったらどうしよう」「うまくいかなかったらどうしよう」
「こんなこと言って嫌われたらどうしよう」なんて思わずに。

失ったらそのときに悩み、嫌われたらそのときに泣こう。
そして「どっぷりの思い出」があれば、私はやるだけやった。
よーし、今回はだめだったけれど次はがんばるぞ、
と思えてくる。

仕事もしかり、いまの自分の日々の仕事に対し、
出来る限りの力を発揮して、思っきりやってみたらいいと思う。

「どっぷり」せずに燃焼していなかったからこそ、
あーでもない、こーでもないと悩んだのだから。
どっぷりと味わってこそ、次の方向が見えるものなのだから。

 





by meruchiko | 2012-01-09 00:00 | 休日 | Comments(0)

HANITORA


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